寒い冬は、スケートで乗り切る
前回、私の住むこの地は寒い!と書いたが、どれくらい寒いのか。
ここの冬の平均気温は(資料にもよるが)最低はマイナス7度、最高がマイナス1度とある。「いやーもっと寒い感じがする、いつも天気予報で目にする気温はもっと低い!」と思ってしまうが、平均にするとこんな感じなのかもしれない。
寒さ自慢
この地に最初に降り立ったのだは、ちょうど25年前の3月初め。(今年は25年のアニバーサリー!)「3月ならあったかくなり始める頃で東京の真冬くらいにはなっているだろう」との甘い予測を基にした日程計画だった。
そんな予測は軽く覆され、宿泊先の家族が、私の靴を見て「その靴では外を歩けない」と言い、さっそくブーツを買いに行こう!と翌日はいくつものショッピングモールを車で回ってくれた。
ちなみに、こちらでも3月になればお店にも残り物ブーツしか残っていないし、 私の“サイズ5”というのは、当時はほとんどなく、いくつものモールを回ることになったのであり、私がデザインにこだわっていたわけではない。。。。
到着数日後、知人に街を(歩いて)案内してもらった時には、日中も完全にマイナス気温。さっそくお腹を壊してしまった。「やっぱ寒いのね」と痛感。
4月になってもまだまだ寒く、茶色い芝生の姿を見て、お世話になっていた家族に「いつになったら芝生は緑になるのか」と、切なる思いで聞いたくらい、冬が長いと思った。そんな問いも忘れていた頃、芝生はきれいな緑に変わった。それはその年、5月の終わり頃だったと思う。
翌年、冬まるまる体験。そしてそれはこの地でも30年ぶりという寒さ、北米に大寒波がやってきた年。
12月は気温は低いものの雪もほとんど降らず。こんなもんかと思っていたら、1月になり急に気温が下がり、雪もドカドカと。そして路面凍結。歩道もカチカチ。それも薄い氷ではなく、分厚く、降雪後の足跡がそのまま残る氷の道。ドライブはもちろん、歩くのが危険な毎日のひと月だった。
この地でもここ十数年、地球の温暖化現象は確実に姿を見え隠れさせていて、私が住み始めた25年前に比べれば、冬の気温も全体的に数度上がっているように思える。以前は1月から2月の時期に日中でも気温がプラスになることは滅多になかったが、ここ10年くらいはそれも結構見られるようになってきている。
とは言え、東北や北海道を除く日本に比べるとこちらの方が気温が低い。
日本に帰ると「今朝は零度ですごく冷え込んでいるから気をつけて」なんて言われたりしてもピンとこない。こちらでは零度なら「今朝はあったかかったね」などと同僚と朝の挨拶など交わすのである。
ちなみに今朝は、そのちょっと暖かい1度。その代わり外は雪。そうここでは雪や曇りの日は比較的に気温が高くなる。その代わり、綺麗に晴れ渡った青空の日は、キーンと寒い。鼻毛やまつ毛も凍ってしまう。こんなに日には急いでいても決して全力で屋外を走ったりしてはいけない。昔、バスの時間に間に合わないと20メートルくらい走ったら、間に合ったのは良かったが、バスの中で肺が痛くなった。(まだ若かったのに。。。)
そんなこちらの冬、カナダ人は何をして過ごすのか。
先日運転中のラジオで聞いたのが、スケートのすすめ。
折しも私たち夫婦も昨冬からスケート通いを始めている。ちょうど私のスケート靴を新しくしたのだ。前の靴が壊れてしまってから10年以上、全く滑っていなかった。けれど一度体が覚えたことは決して忘れることはないようだ。ちょっとするとスイスイと。
ここには市内のいたるところにスケートリンクがある。屋内はもちろん、屋外にも12月中旬になると、各所にリンクが出来上がる。それは数時間ごとに製氷車が走る整備されたリンクから、水をまいて氷を貼っただけの公園の一角にできる小さいリンク、湖や池が自然に凍ってできたリンク、種類もさまざまである。
そしてこれらのリンクは全て無料。多くの人が“マイ スケート靴”を持っているので、スケート靴を片手に近所のリンクにちょっと滑りに行くといった感じ。
もちろん貸し靴のあるリンクもあるけど、数で言うと圧倒的に少ない。ここでは靴を持っているのが前提なのであろう。さすがアイスホッケーの発祥地!
何と言ってもオススメは屋外リンク。寒さの中で滑るスケートは爽快で楽しい。新鮮な空気を吸い、晴れの日なら太陽の光を浴びて、実に健康的なのである。
滑っているうちに寒さも吹っ飛ぶ。子供も大人も、初心者も選手のように上手なスケーターも、入り乱れ、滑る。子供はよく転ぶ。それも可愛いらしい。私はとにかく転ばないことを肝に銘じながら、滑る。
気温がとても低い日や、今朝のように雪がジャンジャンと降っている日には屋内リンクへ。私たち夫婦もこれからちょっと滑りに行く予定だ。
その前に家の前の雪かきで、準備運動をするのは夫である。